藤原道長と篠の窯跡

藤原道長という人物像

藤原兼家の5男として生まれ、平安時代中期の公卿(くぎょう)、従一位・摂政・太政大臣・准三后。父の兼家が摂政になり権力を握ると栄達するが、道隆・道兼という有力な兄がいたため目立った存在ではなかった。その兄たちが相次いで伝染病などで病没し、後に道隆の嫡子伊周との政争に勝って左大臣として政権を掌握した。

「この世をば わが世とぞ思う 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思えば」順風満帆(じゅんぷうまんぱん)、道長の思惑通りのシナリオが次から次へと展開される中で、政略的にも、長女彰子を一条天皇の皇后に、次女妍子を三条天皇の皇后に、三女威子は後一条天皇の中宮として、天皇家との血縁を強固に結ぶ中で「一家立三后」と人々を驚嘆させた。その三女威子の立后の日である10月16日に、道長の邸宅で諸公卿を集め祝宴が開かれた時、道長は実資に向って即興の歌を詠んだのが、「この世をば わが世とぞ 思う望月の 欠けたることも  なしと思えば」の、この歌である。長女、次女、三女は共に天皇の皇后に入内(じゅだい)させ、自らは5男にもかかわらず兄たちの病没によって幸運にも、摂政(せっせい)、太政大臣(だじょうだいじん)まで上りつめた道長の人生において、この世の栄華を極めた謳歌(おうか)そのものであると言われている。

法成寺(ほうじょうじ)創建と道長の死

栄華を極めた道長は、後を嫡子、頼通に譲り、自らの死後を案じ、1019年に出家して、翌年の1020年には、浄土信仰に傾倒した道長は、摂関期最大の寺院、法成寺内に九体阿弥陀堂(無量寿堂)の造営に着手し、その規模は東西2町、南北3町にまたがる壮大なもので伽藍は豪壮を極めた。「栄花物語」には、阿弥陀堂、金堂、五大堂、薬師堂、釈迦堂、十斎堂、東北堂、西北院などの様子が描かれている。1027年死病を患った道長は、東の五大堂から東橋を渡って中島、さらに西橋を渡り、西の阿弥陀堂に入った。そして、九体の阿弥陀如来の手から自分の手まで糸を引き、釈迦(しゃか)の涅槃(ねはん)と同様、北枕西向きに横たわった。僧侶たちの読経の中で、自身も念仏を口ずさみ、西方浄土を願いながら往生したといわれている。この法成寺の屋根瓦に丹波桑田郡篠村長尾山を含む周辺(亀岡市の遺跡分布図によると篠窯業生産遺跡群と呼ぶ)で焼かれた屋根瓦が使われた。また須恵器や都の平安貴族が使用していた緑柚石(りょくゆうせき)陶器の高級食器などもこの窯跡で焼かれていたことがわかった。この遺跡群の中に西長尾奥遺跡群については亀岡市土地開発公社の所有する土地であり、この土地を利活用するために窯跡群の遺跡として国の遺跡認定を受けて、長尾山窯跡遺跡公園として、往時の焼き物の隆盛を復活させるに相応しい拠点づくりができれば市民に利活用できるのではないかと考えている。法成寺は1058年の大火で伽藍(がらん)のことごとくが焼失したものの藤原頼通によって再建され、孫の師実へと引継がれたが、鎌倉時代の1219年に入り、再び全焼し、伽藍は荒廃、廃絶となる。兵火、災禍の餌食となった栄華の象徴といわれた摂関期最大の寺院、法成寺は歴史とともに藤原家の盛衰を物語っているといえよう。

京都市上京区荒神口通り寺町通り東入るにある現在の京都府立鴨泝高校の校庭横に法成寺跡の石標が残っているだけとなっている。法成寺は宇治の平等院を模したといわれるほどに、双方、宇治川と鴨川から見た壮大な伽藍の配置や雰囲気がよく似ていると伝わっていることからそのようにいわれている。また道長の日記とされている「御堂関白記」の「御堂」とは法成寺のことを指している。平安貴族と亀岡の関わりについてはこうした焼き物によって伺い知れることとなった。

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亀岡市議会議員
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藤原道長と篠の窯跡 への1件のフィードバック

  1. アサダカズユキ より:

    本日は遠路、お越しいただき、ありがとうございます。お役に立てましたかどうか。早速、ブログの一部を拝見しましたが、精力的に各地を視察なさっているのですね。村上の吉川さんはご夫婦ともに元気のいい方で、感服します。各地で見習ってほしいと思っています。
    「目指せ日本一」は同感です。ちなみに、弊誌の「全国市区の行政革新度(調査)」(2008年12月1日号)では、亀岡市は449位、「行政サービス水準」(12月15日号)では567位にとどまっています。これは行政に対する評価です。おっしゃるように、私どもも、住みよいまちを目指しています。 ところで、いただいた名刺に「西口純生の部屋検索(策)」とあるのに、ブログのアドレスがないのはもったいないですね。また、メールアドレスも入れておいた方がいいのではないでしょうか。 日経グローカル 浅田

    http://www.nikkei.co.jp/rim/glweb/index.htm

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